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あなたのライフスタイルを豊かにする「ウェルパ」

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はじめに


現代社会において、私たちのライフスタイルは急速に変化しています。終身雇用の崩壊、長時間労働、ハラスメントといった問題から、従来の日本の働き方には多くの疑問が呈されています。このような現状を落ち着いて見極め、「古い働き方に縛られたくない」「自分らしく働きたい」という強い意志を持つ若者も多くいます。いまや企業の持続可能な成長には、従業員一人ひとりの幸福を考慮した施策が不可欠となっています。
今回は、より自分らしく、充実した生活を送るための新しい考え方「ウェルパ」についてご紹介します。

「ウェルパ」とは?


ウェルパとは、「ウェルビーイング(幸福)」と「パフォーマンス(業績)」を組み合わせた造語です。
「ウェルパ」は自分自身や周りの環境を含めて居心地の良い状態を効率よく求めることを表しています。近年Z世代を中心によく耳にするようになった言葉です。ウェルパに類似するワードも以前から使われていますが、「タイパ」はタイムパフォーマンスの略で時間効率を、「コスパ」はコストパフォーマンスの略で費用対効果を、「スぺパ」はスペースパフォーマンスの略で空間対効果を表します。いずれのワードも「効率」を意識した内容になっています。従来の「ワークライフバランス」という考え方は、仕事とプライベートの時間配分を調整することで両方を充実させ、仕事の成果や心身の安定を図り、人生全体の充実感や満足感を得ることを目指す考え方でした。しかしウェルパは、仕事と生活を対立するものとして捉えるのではなく、両者を相互に高め合うものとし、従業員が自身の幸福を感じながら高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えることを重視する考え方です。仕事での充実感がプライベートの満足度を向上させ、健康的な生活習慣が仕事の効率を上げる、といった相乗効果を目指しています。ウェルパは、単なる時間の調整に留まらず、仕事とプライベート両方において高い満足度と幸福感を追求する点が大きな特徴なのです。

なぜ今ウェルパが重要なのか?


近年、テクノロジーの進展やグローバル化は新型コロナウイルスのパンデミックの影響もあり、早い速度で大変革が進んでいます。これらの変化は、私たちの価値観や働き方に大きな影響を与えています。従来の会社に依存した働き方や、物質的な豊かさだけを求める生き方では、真の幸福感を実感しにくいとの声が高まっているのです。厚生労働省の令和6年の「労働安全衛生調査」によると、現在の仕事や職業生活にストレスや不安を抱えていると感じる人は、全体の8割以上に達しています。そのストレスの種は、仕事の量・質、対人関係、会社の将来性などさまざまです。このような背景を受け、自分らしく、心身ともに充実した状態で最高のパフォーマンスを発揮したいと考える人々が増加しており、「ウェルパ」という考え方が注目を浴びているのです。
特に生まれた時からデジタル環境に親しんでいる近年の若者は、従来の価値観に縛られず、自由で柔軟な思考を持っています。この世代にとって、ウェルパは自らの価値観に合った新しい働き方や生き方の象徴です。インターネットやSNSを通じて多様な情報に常に触れており、固定観念に縛られずに自分にとって本当に大切なものを見極め、自分らしい生き方を追求したいと考える若者が多いのです。
また、仕事においても、単に指示された業務をこなすのではなく、自分の個性や才能を活かせるやりがいのある仕事や成長を求め、仕事選びの際に「自分の成長につながるか」や「社会に貢献できるか」といった点を重視する傾向があります。ウェルパは、これらの価値観を実現し、仕事も生活も充実させたいという若者のニーズに応える存在として共感を得ていると言えるでしょう。

ウェルパ導入で得られるメリット


では、ウェルパを実践することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?実は、ウェルパは従業員だけでなく企業にとっても多くの利点をもたらします。ウェルパがもたらす具体的なメリットについて詳しく見てみましょう。自分自身がウェルパによる柔軟な働き方を実践することで、仕事のパフォーマンスの向上が期待できます。自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現することにより、ストレスの軽減にもつながり、心身共に健康を保ち、集中力や高いモチベーションを維持することが可能になります。質の高い仕事が実現できることで、自然とキャリアアップや自己実現にもなるでしょう。
さらに、仕事から得られる充実感はプライベートにも良い影響を及ぼし、趣味や人間関係など、全般的な人生の満足度向上につながります。従業員のウェルパを促進することは、企業にとってもメリットがあります。特に若い世代の求職者は、給与だけでなく、働きやすさや企業文化を重視する傾向にあり、就活サイトを運営する株式会社ワンキャリアが実施した「2026年就活実態調査」でも、現在の就活生は給与・成長よりも「働きやすさ」を重視する傾向があるという結果となりました。
企業はウェルパを導入することにより、求職者にとって魅力的な職場環境を提供できるため、求職者にとって魅力的に映り、採用活動においても有利に働く可能性があります。また、従業員が心身の健康を保ち、仕事にやりがいを感じていれば、生産性は向上し、従業員の満足度が高まれば離職率が低下し、優秀な人材を維持しやすくなるでしょう。結果として、企業全体の業績向上や持続的な成長に繋がると考えられます。

企業のウェルパ導入にむけて


「働きやすい」環境づくりが従業員にも企業にもよい効果をもたらすということはわかりましたが、どのような方法で実践すればよいのでしょうか?
企業がいま特に力を入れて導入しているのが「福利厚生」です。福利厚生がいい企業は人材定着や従業員の満足度にも重要な要素となります。特に最近ではウェルパを意識した福利厚生も企業に多く導入されており、健康促進のためにジム利用を補助したり、健康診断の内容を充実したりする取り組みもされています。
他にも、リモートワークやフレックスタイム制度を導入し、従業員がより自分に合った働き方を選べるようにするのも良いかもしれません。その場合、従業員の声を反映しながら調整していくことも重要です。また、会社の仕事場の環境を見直し、リラックスできるスペースを確保したり、イベントや従業員同士の交流の場を設けたりするのも良いでしょう。

まとめ


ウェルパは、従業員の自己実現と企業の成長を同時に実現するための重要なキーワードです。現代社会における身体的、精神的、社会的な健康を総合的に支援することで、従業員に新たな価値を提供し、ライフスタイルの質を向上させる役割を果たしています。企業は従業員の働きがいを高めることにより、企業の競争力を向上させ持続的な成長を可能にするのです。ウェルパの導入を積極的に検討し、働く人々がより充実した仕事やプライベートを送れるような魅力的な環境づくりを進めていきましょう。
参考:厚生労働省「労働安全衛生調査」
   株式会社ワンキャリア「2026年就活実態調査」

 


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