低い日本の食料自給率
はじめに
「食料自給率」は多くの方になじみのある言葉ではないでしょうか。
しかしながら、日本の食料自給率や諸外国との比較、低ければ(高ければ)どんな影響があるのかなど、深く考えたことがある人は少ないかもしれません。
今回は日本と世界の食料自給率についてお話しします。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
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サービスページを見る →食料自給率
食料自給率とは、自国の食料消費のうちどれくらいが国内で生産されているかを示す指標のことをいいます。表し方は2通りあって、単純に重量で計算することができる品目別自給率と、食料全体について共通の単位で揃えることによって計算する総合食料自給率があります。総合食料自給率は、熱量で換算するカロリーベースと金額で換算する生産額ベースがあります。
品目別自給率
以下の計算式によって算出されています。
品目別自給率 = 国内生産量 / 国内消費仕向量
(国内消費仕向量 = 国内生産量 + 輸入量 - 輸出量 – 在庫の増加量(又は+在庫の減少量))
総合食料自給率
食料全体について単位を揃えて計算した自給率として、供給熱量(カロリー)ベース、生産額ベースの2通りの総合食料自給率を算出しています。
■カロリーベース総合食料自給率
カロリーベース総合食料自給率は、基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)に着目して、国民に供給される熱量(総供給熱量)に対する国内生産の割合を示す指標です。
・カロリーベース総合食料自給率(令和2年度)= 1人1日当たり国産供給熱量(843kcal)/ 1人1日当たり供給熱量(2,269kcal)= 37%
■生産額ベース総合食料自給率
生産額ベース総合食料自給率は、経済的価値に着目しても国民に提供される食糧の生産額(食料の国内消費仕向額)に対する国内生産の割合を示す指標です。
・生産額ベース総合食料自給率(令和2年度)=食料の国内生産額(10.4兆円)/ 食料の国内消費仕向額(15.4兆円)= 67%
日本国内の長期データ
次は、日本の食糧自給率を長期で見てみましょう。
ここ50年ほどの間に食料自給率はだんだん低くなってきており、カロリーベースでは約半分になっているのがわかります。
この理由は、日本人の食生活が変化したことで輸入が増えたためと見られています。
主食にしても昭和40年当時は米食中心でしたが、今では選択肢が増えています。米の消費量が減り、その他の食材を食べるようになっているのです。
また、家畜の飼料の原料も国内で生産を賄えるだけの農地が無く、輸入に頼らざるを得ない状況なのです。もちろん農地だけの問題ではなく、農業に従事する人の人口もどんどん減ってきているのです。
平成17年のデータでは、日本の農地面積469万haに対し、日本に輸入されるために使われている国外の農地面積は1,200万haにもなっていました。
ここで、平成31年度県別のカロリーベース食料自給率の上位と下位の各5県を見てみましょう。
上位5県 下位5件
1位 北海道 196% 46位 東京都 1%
2位 秋田県 190% 46位 大阪府 1%
3位 山形県 135% 44位 神奈川県 2%
4位 青森県 120% 43位 埼玉県 10%
5位 新潟県 107% 42位 愛知県 11%
広大な土地を有する北海道は、農地面積も農業従事者数も他県を大きく引き離しています。
では、品目別に見たときの食料自給率はどのようになっているのでしょうか。
上図は令和2年度のデータですが、主食である米ですら100%を下回っており、その他の品目に関しては軒並み輸入頼みとなっていることが分かります。
諸外国との比較
日本の食料自給率が下がってきているのはわかりましたが、海外との比較ではどうなのでしょうか。
令和元年度の農林水産省のデータを見てみましょう。
世界的に見ても決して高いとはいえませんよね。
カナダ、オーストラリア、アメリカなどは国土面積が圧倒的に広いため、広大な農地で大規模に生産して外国に輸出しています。もちろん家畜の飼料も大量に生産できますので、家畜も多く生産、輸出しています。
一方、ヨーロッパは日本のような食文化の変化が少ないため、昔から国内で生産しているものを今も食べているのです。それにより食料自給率は高い傾向にあります。
ここまで見てきましたが、日本は確かに自給率こそ高くないものの、輸入さえすれば何とかなっているというのもまた事実です。
低食料自給率による弊害
農林水産省は2030年までにカロリーベース食料自給率を45%、生産額ベース食料自給率を75%に上げる目標を掲げています。
現状でも大きな問題はないように思われますが、何故このような目標を掲げるのでしょうか。
現在は、諸外国からの輸入は安定していると言ってよいでしょう。ですが、この安定がずっと続く保証はどこにもありません。
例えば、地球規模で問題になっている異常気象です。農作物は干ばつや多雨により大きな影響を受けます。輸出国が大きな被害を受けた時、自国民の食料を賄えないのに他国に輸出をするでしょうか。また、輸入量が確保できたとしても価格が高騰すれば家計に大きなダメージとなります。
その他にも、世界の人口増加による食糧不足も懸念されます。日本は人口減が問題になっていますが、世界の人口は増え続けており、2050年には100億人を突破すると言われています。地球上には食物を育てるのに不向きな土壌も多くあります。増え続けていく人口を支える食物を地球規模で賄っていくことを考えなければなりません。
これらの問題を考えたとき、日本の食料供給は先々までの確約の無い輸入の上に成り立っていると言わざるを得ません。
食料自給率を上げるには
では、食料自給率を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。
皆さんは「フード・アクション・ニッポン」をご存知でしょうか。これは平成20年に始まった、日本の食を次の世界に残し、創るために、民間企業・団体・行政等が一体となって推進する、国産農林水産物の消費拡大の取り組みです。
フード・アクション・ニッポンの基本メッセージは
「子供たちの子どもたちも、その、ずーっと先の子供たちも食べていけますように」
活動の中で、食料自給率を上げるための5つのアクションを提唱しています。
①「今が旬」の食べものを選びましょう
②地元でとれる食材を日々の食事に活かしましょう
③ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけ、しっかり朝ごはんを食べましょう
④食べ残しを減らしましょう
⑤自給率向上を図るさまざまな取組を知り、試し、応援しましょう。
まずは個人で取り組みできるものから始めてみることが大切ですね。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
このような課題は、私たち『懐刀』にご相談ください。懐刀は食品業界のニーズに合わせて開発された「クラウド型販売管理システム」です。20年の運用実績と200社以上の導入実績で、御社のDXを安心・快適に導入までサポートします。まずはサービスページをご覧ください。
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