進化を続ける防災食品
はじめに
日本はプレートに囲まれた地震大国です。地震以外の自然災害も毎年のように発生しています。
首都直下型地震(今後30年以内に70%の確率で起きると予測されているマグニチュード7程度の大地震)や南海トラフ地震(今後30年以内に80%の確率で起きると予測されているマグニチュード8程度の大地震)が起きてしまうと、多くの死者や被災者が出るとみられています。南海トラフ地震は想定範囲も広く、日本国内のどこに住んでいても何らかの影響が出る思われ、もはや他人事ではありません。
災害発生時はどうやって命を守るかが最優先ですが、時間が経過すると、今度はどうやって飲み水や食糧を確保して命を繋ぐかが問題になってきます。いざという時のために、目安と言われる3日分程度の防災食品を各家庭で用意しておきたいものです。
今回のテーマは防災食品です。
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サービスページを見る →避難所毎に異なる防災食品の備蓄
防災食品は災害発生時、家に留まるか、外に逃げ出すのかによって異なってきます。
1つ目は、災害発生直後、家から避難所などに避難する際に持ち出す非常用のリュックの中に入れておく防災食品。持ち運べる量も限られますし、火や水なしでも食べられるものを準備しておいた方がいいでしょう。
2つ目は、災害が発生したが、家屋の損傷がそこまで激しくないためにライフラインが復旧するまで、あるいは救援物資が手元に届くまでは自宅に備蓄してある防災食品で凌ぐ場合。携帯用コンロ等があれば火やお湯を使って調理することも可能です。
各自治体は、災害発生から最低3日分程度の防災食を準備することを推奨しています。水は飲料水+調理用水として1人1日3ℓ。食糧はパックご飯、即席麺、レトルト食品、缶詰、野菜ジュース、嗜好品など、ライフラインが寸断されていても食べられるものが望ましいでしょう。最低3日分という数字は、救援物資が被災地に届くまでの目安の日数からきています。
状況にもよりますが、災害発生後しばらくして電気、水道、ガスが徐々に使えるようになってきたとしても、十分に行き渡るとは限りません。
普段から日持ちのする飲み物や食糧、日用品を多めにストックしておき、普段の生活で消費した分を買い足すという、ローリングストックの考えを念頭に置いて生活することが望ましいです。
保存食の始まり
今でこそ防災食品という言葉も浸透していますが、かつては「保存食」が「防災食」の代わりをしていたのではないでしょうか。
食材を長持ちさせるための保存方法として「干す」「塩漬けにする」「煙で燻す」「凍らせた上で乾燥させる」「油やアルコールに漬ける」「砂糖で加工する」「酢を使う」「発酵させる」など多くの知恵が生かされてきました。
昔は防災食品に美味しさはあまり求められておらず、長期で保存できることが最重要課題でした。現在では、技術の進歩によって更なる保存期間の長期化に加え、種類・味に関してもメーカー各社が開発にしのぎを削っています。
防災食品の製法
私たち日本人はお米を多く食べます。非常食にも「アルファ米」が用いられているものが多くあります。
アルファ米は炊いたお米を乾燥、保存したもので、お湯や水を加えることで元の状態に戻るというものです。保存期間も長く、5年程度持つものが多いです。
これを利用した赤飯や五目御飯などがお店に並んでいますので、平常時でも食べたことがある方はいらっしゃるかもしれません。
防災食品としてのアルファ米の調理方法は、レトルトパウチの袋を開け、熱湯か水を注いで指定された時間置き、最後にかき混ぜればできあがりです。
次は「フリーズドライ」です。フリーズドライは水分を含んだ食品や食品原料を-30℃度程度で急速に冷凍し、さらに減圧して真空状態で水分を飛ばし乾燥させる製法です。高温で水分を蒸発させる乾燥方法と違い、食品の味や香り、栄養素が残りやすいという特徴があります。
この技術は、そもそも輸血用の血液を遠方の病院に運ぶために開発されたものでしたが、1970年代以降、食品加工にも用いられるようになりました。
フリーズドライは概ね3~5分程度の短時間で調理できるのが特徴で、お味噌汁などはお湯をかければできあがりという手軽さです。賞味期限は8年という、長期にわたる保存が可能な製品もあります。
最後に「レトルト食品」です。最近では、日常食品を消費しながら買い足すローリングストックで備蓄をし、いざという時の防災食品としても利用するという考えの家庭が増えています。レトルト食品は共働き家庭が増えている現在、需要が増しており、調理の時短アイテムとして平常時でも食卓に登場することは多いのではないでしょうか。お粥やカレー、スープなどラインナップも豊富で、災害時、ライフラインが止まった時に温めなくても食べられるよう、味も工夫されている製品が多くあります。
防災食としての嗜好品
防災食は命を繋ぐためのものです。そのため、主食としての妥当性や栄養をメインに考えがちですが、近年は嗜好品も防災食に含める必要性をよく聞くようになりました。
これは、嗜好品が避難所生活における非日常の中において、心の平穏を保つためのアイテムになり得るからなのです。明日が見えない状況の中では心の健康にも目を向ける必要があります。今は防災食品として缶詰の羊羹やケーキなども販売されていますので、そういったものも備蓄リストに入っていると良いかも知れません。可能であれば、普段自分が好きでよく食べているものを備蓄しておくのが好ましいでしょう。
防災食品の市場規模
国内の防災食品市場は2024年には約250億円に上るとされています。冒頭で挙げたような大地震や、近年の異常気象を起因とする豪雨災害等により、一般家庭の備蓄意識が高まっているのはもちろんのこと、企業や各自治体が帰宅困難者支援のための備蓄を始めたことも大きいといえます。
例え災害時であれ、いつもの味や美味しいものを食べたいというニーズがあるのは当然で、技術の発達に伴い、より美味しい防災食品が次々に開発されています。
今後は少量で生命維持ができるような栄養剤なども開発されるかもしれませんが、目で楽しみ、舌で味わうことで身も心も満たすという考えも大切にした技術進歩を期待したいですよね。
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