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原産地表示、お買物の参考にしていますか

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はじめに


平成29年9月に食品表示基準が改正・施行されました。内容は「国内で作られたすべての加工食品に対して、原料原産地表示を行うこと」というものです。それまで原料原産地表示は一部の加工食品に限られており、消費者の原料原産地を知りたいという要望に対して、誠心誠意答えられているとは言えない状況だったのです。令和4年3月までは経過措置期間でしたが、令和4年4月からいよいよ完全施行となりました。

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新しい加工食品の原料原産地表示制度の趣旨・目的


農林水産省は新制度の趣旨・目的を事業者向け活用マニュアルの中に以下のように記しています。

『従前の加工食品の原料原産地表示制度では、表示義務のある対象は店舗で陳列表示されている加工食品全体の約11%を占めるにすぎず、自主的に何らかの産地を表示しているものも、約16%にとどまっているなど、加工食品の原材料の産地情報が消費者に十分提供されていると言い難い状況となっていました。
また、加工食品を購入する際に、原料原産地名を参考にしている消費者は約77%を占めているという調査結果や、産地情報を入手する手段として「食品に表示されている表示を確認」が約93%、次いで「ホームページを見る」が約18%を占めている調査結果が示すとおり、原料原産地に関しては、消費者の関心も高い状況となっていました。』

自分たちが口にする加工食品の原材料がどこの国のもので、どこで製造されたかをパッケージで知ることができるのはとても良いことだと思います。
もちろん、メーカーは原材料を吟味した上で仕入、加工しているわけですが、消費者には知る権利があり、購入の判断材料として原料原産地は高いウェイトを占めているにもかかわらず、これまではその表示が求められていなかったということです。

産地表示のルール


ここからは、具体的に産地表示のルールを見ていきましょう。

■日本国内で製造または加工された全ての加工食品が対象。
■製品中、最も多く使われた原材料の原産地を表示。 

但し、以下は例外とされています。

・輸入した加工食品(輸入国(原産地)の表示は必須)。
・外食、その場で販売する食品(店内で製造されるお惣菜やお弁当)。
・容器包装に入れず販売する場合。

次に原材料の表示方法ですが、製品中最も多く使われた原材料を表示することとされています。2か国以上の原産地の原材料を混ぜた場合は、多い順に原産地を表示します。

■製品中、最も多く使われた原材料が生鮮食品の場合は、その原産地を表示(国産の場合は「国産」である旨を表示)。
■2か国以上の原産地の原材料を混ぜて使っている場合は、多い順に原産地を表示。
■3か国以上の原産地の原材料を混ぜて使っている場合は、3か国目以降を「その他」と表示することも可能。
■製品中、最も多く使われた原材料が加工食品の場合は、その製造地を表示。
■原則の「国別重量順表示」が難しい場合は、一定の条件のもと「又は表示」、「大括り表示」の表示が可能。

国別重量順表示例


では、いくつか具体例を挙げてみます。

品名:インスタントコーヒー
原材料名:コーヒー豆(生豆生産国名:ブラジル、コスタリカ、他)
→コーヒー豆はブラジル産、コスタリカ産の順で多く含まれており、その他の国のものも含まれている。

品名:ウインナーソーセージ
原材料名:豚肉(アメリカ産又は国産)、豚脂肪、・・・
→豚肉はアメリカ産>国産の順で多く使用されている。

品名:焼き菓子
原材料名:小麦粉(国内製造)、卵、砂糖、バター/ベーキングパウダー
→原材料で最も多く使用されているのは加工食品(小麦粉)で、それは国内製造である。

上記の焼き菓子のように、1番多い原材料が加工食品の場合は原則製造地が表示されますが、それを構成する原材料の産地が分かっている場合は「小麦(国産)」のように産地を代わりに記載することもできます。

産地偽装問題


産地偽装に関する不祥事はなかなか尽きることがありません。以下は大きなニュースになりましたので、皆さんの記憶にもあることでしょう。

■平成13年、日本産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)にかかったものがあるとして、国が行った国産牛肉買い取り事業において、経営問題を抱えていた雪印食品が対象牛肉であると偽って補助金を詐取した。
■平成25年、阪急阪神ホテルズが運営する23店舗でメニュー表示とは異なる食材を使った料理を提供していた。この偽装を経営陣は「誤表示」とし、世間から批判を浴びた。
■令和4年、外国産アサリを熊本産と偽り、実際の漁獲量よりも多く取引していた。

では、なぜ産地偽装問題が発生するのでしょうか。
理由はそれぞれです。上の3つを例に見てみましょう。

「国産牛肉偽装」に関しては、補助金詐取が目的でした。

「メニュー表示とは異なる食材を使った料理提供」に関しては、阪急阪神ホテルズは「偽装ではなく、誤表示」としているため真相はわかりません。誤表示の内容を見てみると「普通の野菜」を「ブランド野菜」としていたり、「普通の鶏」を「地鶏」としていたり、「トビコをキャビア」としていたりです。あくまでも想像の域を出ませんが、お客様の印象操作と、ブランド食材を使っているからこその値付けをしていたとしたら、利益操作というところでしょうか。

「外国産アサリを熊本産と偽った」に関しては外国産より国内産の方が高く売れるため。そもそも外国産アサリだと卸先が見つからず在庫として残ってしまうため、ということのようです。

理由は何であれ、偽装が明るみになった際の消費者の信用失墜は疑う余地もなく、一度貼られた産地偽装のレッテルは容易に剥がせるものではありません。
食品の産地を見て購入を決める消費者は多くいます。すべての食品業者が嘘偽りなく食品の情報を記載し、消費者が安心して選択できるようになることを願うばかりです。

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