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過剰包装と海洋プラスチック問題

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はじめに


店舗に陳列してある商品は、ほぼ何かしらの容器に入っています。日本国内においてはそれが当たり前になっていますので、それを疑問に思う人はほとんどいないでしょう。
外国から見ると日本の包装は過剰であると言われることが多いようです。梱包に使われているビニールや容器、緩衝材のほとんどにプラスチックが使われています。
実は、その多くは再利用されることなく廃棄されているのが現実です。日本は世界の中でプラスチックごみが多い国であるということをご存知でしょうか。少し前のデータにはなりますが、ジョージア大学のJambeck Research Groupの試算では2010年の世界のプラスチックごみ排出量ランキングで日本は世界第5位。799万トンのプラスチックごみを排出しているそうです。

今回は過剰包装・梱包から派生する問題を見ていきたいと思います。

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過剰包装の理由


なぜ日本では過剰包装がこれほどまでに定着しているのでしょうか。

これは何らかの研究結果があるわけではないので予測でしかありませんが、日本人の他者への配慮や、きれい好きな気質からきているのではないでしょうか。例えばお菓子の個包装です。個包装のプラスチックの小袋を、プラスチックの大袋で包装しているという念の入れようですよね。確かに誰かに差し上げる時は食べものに直に触れることもないですし、保存にも便利ですよね。貰う方としても、誰かが触った食品を口にしなくて済みます。

お土産物屋さんで複数お土産を買ったら、「小袋を何枚か入れておきましょうか」と聞かれることも珍しいことではありません。

これらはあくまでも常識ではなく気遣いの範疇です。にもかかわらず定着しているのは、その姿勢に「気遣いができている」とか「自分がされて嬉しかったから」といった理由があるのだと思います。
しかしながら、個人的に嬉しいことでも地球環境的には決して喜ばしいことではありません。海洋プラスチックの内訳を見ると「容器包装用等」の用途に使用されているものが、世界で発生するプラスチックごみの47%にもなるそうです。

海洋プラスチック問題


ここ近年、マイクロプラスチックという言葉をよく聞くようになってきました。
不法投棄や日々の生活などにより河川から海洋に流れ出たプラスチックが最終的には人体に悪影響を及ぼし、海洋生物の生態系を狂わせていくと問題視されるようになったからです。

マイクロプラスチックには「1次マイクロプラスチック」と「2次マイクロプラスチック」があります。

1次マイクロプラスチックとは、生産段階で5mm未満のプラスチックのことをいいます。こちらはもともとが細かいので、流出してしまうと回収は難しいとされています。

2次マイクロプラスチックとは環境中に投棄などされた後、波や紫外線から影響を受け、5mm未満の大きさに破砕されたものをいいます。こちらはもともと細かいものではないため、ゴミを減らすことで削減可能です。

1次マイクロプラスチックは、例えば歯磨き粉の研磨剤としても使用されていますので、私達は捨てたつもりはなくても、生活排水にとして河川に流されているのです。2次マイクロプラスチックは不法投棄などで河川から海洋に流れ出たプラスチックが、最終的にマイクロプラスチックになっていきます。

長持ちするというプラスチックの特性から、マイクロプラスチックは完全に無くなることはなく、半永久的に海洋を漂っています。現在、海洋にあるプラスチックごみは合計1億5,000トンといわれており、その80%はアジア圏から排出されているという調査結果があります。

食物連鎖の中で、海洋生物が餌と一緒にマイクロプラスチックを食べてしまい、マイクロプラスチックを含んだ海洋生物を人間が食べるという状態にすでになってしまっているのです。人体への影響に関してはまだ調査段階にありますが、プラスチックの成分の中には、発がん性物質や生殖機能に悪影響を与えるものもあり、早急に対策をした方が良い事案です。しかも海洋プラスチックは年々増えており、今や地球規模の問題で、すでに北極や南極でも確認されています。世界経済フォーラム2016で発表された試算では、このまま海洋へのプラスチック流出が続くと、2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるとされています。

3R


皆さんは3R(スリーアール)をご存知でしょうか。50年以上前からあった考え方ですが、近年、環境問題やSDGsの取り組みにおいて再注目されています。

◆Reduce(リデュース)
ゴミを減らす取り組みです。長く使えるものの開発や使い捨てすることを減らすなどです。
個人の活動例は、買い物にはマイバックを持参する。割りばしを使用しないなど。

◆Reuse(リユース)
繰り返し使う取り組みです。容器の再利用や再利用を視野に入れた商品開発など。
個人の活動例は、洗剤等は詰め替え用を購入する。フリマアプリなどで自分にとっての不用品を必要としている人に使ってもらうなど。

◆Recycle(リサイクル)
形を変えるなどして再利用する取り組みです。廃棄されたものなどをエネルギー資源や製品の原材料として再度利用すること。
個人の活動例は、リサイクルショップの利用や資源ごみの分別など。

企業の取り組み


ここで「花王」と「ローソン」のプラスチック使用量削減の事例をみてみましょう。

  • 花王

2021年12月末をもって「プラスチック製アイキャッチシール」を添付した商品の生産を終了しました。
従来アイキャッチシールに記載していた情報をボトル容器への表記等で引き続き伝えられるよう工夫を凝らしながら、アイキャッチシール全廃を達成したそうです。
誤購入や誤使用を防ぐために添付が必要と判断した場合は、注意表示ラベルの素材をプラスチックからFSC認証紙(環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組み)へと変更されているそうです。本取り組みによるプラスチック削減量は約60トンとのことです。

  • ローソン

プラスチック削減に向けた新たな取組を開始。2021年から都内のナチュラルローソンで「ドライフルーツ」と「ナッツ」の量り売りが開始されました。ナチュラルローソンではその他にも、ハンドソープ、シャンプー、洗剤などの量り売りをすでに実施しています。

店舗ですでに包装されているものの中味だけを抜くことはできません。ですが、レジ袋やプラスチックスプーンの提供を断るなど、自分で抑止できるものもたくさんあります。日本特有の「もったいない」文化を1人1人が実践していきたいですね。

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