コロナ禍で食品業界はどう変化したのか
はじめに
2020年2月頃から、我々は常に「コロナ」と隣合わせの生活を続けてきました。それから2年ほどが経過したわけですが、この間にコロナ禍の影響で大きな変化を余儀なくされた業界も多いですよね。
個人の生活はどうでしょうか。仕事が在宅に切り替わったり、プライベートでも外出機会が減ったりと何かしらの変化があった人は多いのではないでしょうか。
特に、外食産業は時短や休業要請などで大きな打撃を受けています。
今回は外食産業に限らず、食品業界がコロナ禍前と比較してどのように変化しているのかを見ていきたいと思います。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
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コロナ禍前、食品業界は緩やかな成長曲線を描いていました。大きなトレンドで言えば、2016年以降多くの企業がSDGsへの取り組みを強化していたことでしょうか。世界共通目標で2030年までに食品ロスをなくすことが掲げられており、日本でもその取り組みがなされていました。
そのような中で新型コロナウィルスへの感染が一気に広がっていったのです。
コロナ禍における主な対策
新型コロナウィルスの感染を止めるための対策として、「スポーツ・文化イベントなどの大規模イベントの自粛要請」、「小中高への臨時休校要請」、飲食店への「時短要請」や「休業要請」、企業への「在宅ワーク、リモートワークのへの協力要請」、「緊急事態宣言」、「まん延防止等重点措置」など、人流を止めるための様々な対策が打たれてきました。
空席だらけの通勤電車や夜8時で一斉に閉店する飲食店、人が消えた平日のオフィス街の光景に強烈なインパクトを受けたことを今も覚えています。
食品業界の変化
上記の対策により、多くの人の「おうち時間」が多くなっていきました。食品業界の中でも外食業界は苦戦を強いられており、今もコロナ禍前には戻っていません。
一方、人々の巣ごもりにより盛況を極めたのがデリバリー業界です。外食業界も売り上げの落ち込みを少しでも取り戻すために、テイクアウトやデリバリーに積極的に参画しています。コロナ禍の特徴として、デリバリー専門店の出店も多くみられます。
その他苦戦しているのが卸業者です。飲食店の時短・休業により、仕入量が一気に減少したのです。
卸業者はせっかく育てた野菜や捕獲した魚介類などの廃棄問題に直面しました。そこで新しい販路として、これまでお店に卸していた食材を直接消費者に届けるネット販売を始めたり、飲食店でそういった食材の店頭販売をしたりする新しい販売の形が形成されたのです。
デリバリーは中食に分類されます。中食とはデリバリーやコンビニ、スーパーマーケット、デパ地下などですでに調理されている食品を購入して家庭で食べる事をいいます。デリバリー以外の中食もコロナ禍以降概ね好調です。たたし、企業のお昼ご飯需要が高い立地にある店舗は売り上げに影響が出ています。
スーパーマーケットについては、中食に限らず、家での食事回数が増えたためこともあり、2019年度比で+6.7%と大幅増となりました。
2020年、実際にどのようなものが売上を伸ばしたのか、総務省発表の「家計調査」を見てみましょう。
2019年と比較して最も家計消費を伸ばしたのがウィスキーで36.6%増でした。2位は鯛で33.5%増。3位がチューハイ・カクテルで32.5%増です。お酒類はその他ビール・ウォッカ・ブランデーなど軒並み好調でした。これは巣ごもり需要によるもので、外で楽しんでいたお酒を家で楽しむ人が増えたことが要因でしょう。同じく魚介類やお肉などの中でも、高級食材も家計消費を伸ばしています。外食が減った分内食にお金を掛ける巣ごもり需要によるものです。
その他にはコロナ禍に入って一時スーパーマーケットで品切れが続いていたのが小麦粉やホットケーキミックスです。これはおうち時間の充実のために、パンやお菓子を手作りする人が増えたためです。
一方で、贈答品として購入されるような食品は外出機会の減少により家計消費が落ち込んでいます。
コロナ禍は食品の入手方法も変化させました。インターネットを利用した購入です。食品に限らず、2020年の総世帯におけるインターネットを利用した月平均支出額は1世帯当たり前年比14.8%アップの14,557円でした。購入したものの中では、出前が111.5%増、食料品が57.7%増。飲料が36.7%増と大幅な伸びを見せています。ネットスーパーのサイトも増えてきています。
コロナ禍のトレンドには健康ブームもあります。健康の重要性や外出機会の減少による、体重管理や健康管理に目を向ける人が増えたことによります。
その他、レトルト食品やインスタント食品、冷凍食品もコロナ禍に入って売り上げを伸ばしています。
突然の外出自粛による買い物困難に直面した人もいると思います。そこに近年の防災意識の高まりもあいまってレトルト食品やインスタント食品をローリングストックし、防災食としても活用する家庭が増えているのです。
我々の生活に「コロナ」が迷い込んでから2年が経過しました。「正しく恐れる」ということも浸透してきましたし、ワクチン開発などにより徐々に色々な規制が緩和されてきています。ですが、例えば有効な治療薬が開発され、新型コロナウィルスに終息宣言がなされたとしても、完全にコロナ禍前に戻ることはないとするのが多くの考え方です。
コロナ禍は多くのトレンドや生活様式を生みましたが、打撃を受けた業種や業態も変化に対応して盛り返しを見せ、それらがコロナ終息後も長く利用されるサービスとして共存していけたらいいなと思います。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
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