「タンパク質危機(プロテインクライシス)」が2050年に訪れる理由とその解決策とは?
日本では人口は減少傾向にありますが、世界全体で見ると人口は急速に増えています。人口が増えれば当然そのぶん食糧を生産しなければなりませんが、もし食糧の生産が人口の増加に追いつかなかったらどうなるのでしょうか。
実はその危機は近くまで迫っており、特にたんぱく質の生産に課題があります。今回は世界からタンパク質が足りなくなる『タンパク質危機(プロテインクライシス)』について解説していきます。
目次
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
このような課題は、私たち『懐刀』にご相談ください。懐刀は食品業界のニーズに合わせて開発された「クラウド型販売管理システム」です。20年の運用実績と200社以上の導入実績で、御社のDXを安心・快適に導入までサポートします。まずはサービスページをご覧ください。
サービスページを見る →2050年にタンパク質危機が発生する可能性がある
タンパク質危機とは、人口に対してタンパク質の需要と供給のバランスが崩れることを指す言葉で、近い将来に発生する可能性が高いとされている社会課題です。
2020年時点の世界の人口は77.9億人とされています。国連の人口予測では、2030年には85億人、2050年には97億人、2100年には108億人となる予測で、当面は人口が急速に増えていく傾向が続きます。
では、人口に対してタンパク質はどのくらい必要なのでしょうか。人間が必要なタンパク質は体重の1000分の1程度とされています。体重50キロの人であれば50グラムのタンパク質が必要になります。
このように考えると、2050年にはタンパク質の供給量が足りなくなる可能性があるのでは、と欧米を中心に議論されています。
タンパク質危機でボトルネックになるのは食肉の生産量
タンパク質危機において特に課題視されているのが、肉の消費量です。現代の食生活においてタンパク質摂取は食肉に大きく依存しています。発展途上国で人口が増加し、さらにGDPが成長して食生活が向上してくると、肉の消費量は必然的に高くなります。
食肉を増産するためには家畜に与える穀物の飼料が必要になります。穀物を増産するには新たに土地が必要となるため、森林を開拓する必要があるなど、環境面で持続可能ではないのです。
要するに、肉消費の増加には限度があるため、人口増加を支えるタンパク質の確保という意味では食肉がボトルネックになっています。
培養肉、代替肉、昆虫食など…タンパク質危機の解決策
食肉の増産が難しいとなると、タンパク質摂取の生産効率が良い別の食品の比率を高めていかないといけません。
生産効率を表す指標には飼料のほかに、生産時の水の消費量があります。タンパク質において最も水消費量が多いのは牛肉です。例えば、大豆は牛肉の8分の1の水消費量で生産することができます。
出典:~特集~ タンパク質クライシスと気候変動問題を“おいしく”解消する植物性代替肉
昨今ではタンパク質危機の解決策として、食肉を代替する食品に注目が集まっています。例えば、動物の細胞から食肉を培養する「培養肉」、大豆などの代替品で肉のような味を再現する「代替肉」、飼料負荷が小さく温室効果ガスの排出も少ない「昆虫食」などがソリューションとなっています。
培養肉、代替肉は少しずつ実用化、社会実装が進んでます。これらが普及することで、環境面への寄与や、動物の命を奪うことなく食肉と同等の体験をすることができます。それだけでなく、これらの食品は食肉のようにバクテリア付着のリスクも少なく、より衛生的です。
昆虫食は近年の食文化では衰退してしまいましたが、タンパク質をはじめビタミン、食物繊維、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれていることや環境負荷の少なさから再び注目されています。
コオロギやミルワーム、カブトムシなど、さまざまな昆虫が食用として発売されていますが、新たな食文化として根付くかどうかが今後の課題です。
【まとめ】フードロスを意識した食生活を
タンパク質危機が訪れるのは2050年ぐらいになる予測ですが、食肉(特に牛肉)が環境に与える影響は現時点で深刻なものです。しかしながら、食肉のうち賞味期限切れなどの理由で廃棄される、いわゆるフードロスは牛に換算すると年間7500万頭ぶんに及びます。フードロスを削減することはタンパク質危機に寄与するだけでなく、環境や倫理の面でもメリットがありますから、私たちも意識して普段の食事をとっていくことが大事です。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
このような課題は、私たち『懐刀』にご相談ください。懐刀は食品業界のニーズに合わせて開発された「クラウド型販売管理システム」です。20年の運用実績と200社以上の導入実績で、御社のDXを安心・快適に導入までサポートします。まずはサービスページをご覧ください。
サービスページを見る →