『昆虫食』はなぜ急成長しているのか?きっかけと背景、昆虫食のメリットを解説
昆虫食は古い食文化と思われがちですが、近年、さまざまな観点から昆虫食について語られる機会が増えています。多くの方の生活には馴染みのない昆虫食ですが、どのような理由で注目を集めていて、どんなメリットがあるのでしょうか。解説していきます。
目次- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
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サービスページを見る →国連食糧農業機関(FAO)のレポートがきっかけで昆虫食に注目が集まる
昆虫食に注目が集まるきっかけのひとつが2013年に国連食糧農業機関(FAO)が公開したレポート「食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書」です。
このレポートでは「昆虫は食品、または飼料として未開発の可能性がある」といった主旨の調査結果が記されています。
第一に、昆虫は栄養価が高く、タンパク質及び良質の脂肪を多く含み、カルシウム、鉄分及び亜鉛の量が豊富です。鉄分は牛肉よりもイナゴ類の方が多く含まれています。
また、調査では「全世界で、ヒトは1,990種類を超える昆虫類を食している」とのことで、消費量が多いのは、甲虫類(31%)、ケムシ(18%)、ミツバチなどのハチ及びアリ(14%)、イナゴなど(13%)となっています。
飼料としては、定番のフィッシュミールよりも昆虫を飼料とするほうがコストの低減が可能になるため、飼料に回す魚類が減って人間の消費用に回すことができるメリットも報告されています。
参照:国際連合食糧農業機関(FAO)- 食品安全関係情報詳細
昆虫食の市場規模は2025年に1000億円に到達する予測。2019年の14倍急成長
前述したとおり「昆虫食は古い食文化」という認識はすでに過去のものになっています。
日本能率協会総合研究所が2020年に公開しているレポートでは、世界の昆虫食の市場規模は2019年実績では70億円でしたが、2025年には1000億円に達する見込みになっています。
出典:世界の昆虫食市場2025年に1,000億円規模に
食品業界の市場規模を考えると、昆虫食の市場規模はまだまだ小さいとも言えますが、わずか6年のあいだに市場規模が約14倍になる急成長マーケットであることは無視できません。
昆虫食が普及すると環境問題に貢献
昆虫食が普及するメリットとして最もインパクトがあるのは環境問題への貢献でしょう。食肉用の牛肉は1キログラム生産するのに飼料が10キログラム必要で、CO2の排出量は2.8キログラムあり、環境への悪影響が深刻な問題となっています。
一方で、食用のコオロギは1キログラムあたりに必要な資料は1.7キログラム、排出するCO2は0.1キログラムと、牛に比べて格段に環境への負担が少ないのです。
昆虫食は前述のとおり栄養素も豊富ですから、食肉の消費の一部が昆虫食に置き換わるだけでも環境への貢献度は高くなります。
昆虫食はタンパク質危機のソリューションのひとつ
環境問題とも重なりますが、食肉の消費が昆虫食に置き換わることで得られるもうひとつのメリットがあります。それは昆虫食が「タンパク質危機(プロテインクライシス)」の解決策となりうることです。
タンパク質危機とは、世界の人口増加にタンパク質(主に食肉)の生産が追いつかなくなり、需要と供給のバランスが崩壊してしまう懸念のことで、2050年に発生する可能性があるとされています。
タンパク質の生産でボトルネックとなっているのは牛や豚などの食肉です。食肉を増産しようとすると飼料となる穀物を増産する必要があり、穀物を増産するには新たに森林を開拓して広大な畑を作る必要があるため、現実的に考えて不可能とされています。
そこで、生産効率も良く、環境への負荷も少ない昆虫食が普及することでタンパク質危機のソリューションのひとつとなるのではないかと期待されています。
【まとめ】今後さらに昆虫食に注目が集まる
昆虫食は栄養価が豊富で、環境にも優しい優秀な食品です。さらに市場規模は急成長中ですから、普及が進むのは時間の問題かもしれません。直感的には昆虫食に抵抗があるかもしれませんが、コオロギパウダーなど、見た目のハードルをクリアしている昆虫食品はすでに数多くあります。今後さらに昆虫食に注目と期待が集まるでしょう。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
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