HACCPの認証取得について
HACCP認証とは
これまでHACCPの概要や導入までの費用に関して、複数回に渡ってご紹介してきました。前回の予告通り、今回はHACCPの「認証」についてご紹介したいと思います。
HACCP認証は一種の資格のようなもので、自社の衛生管理システムとしてHACCPが適切に機能していることを第三者機関に証明してもらうための制度です。
前回の繰り返しになりますが、この度の「義務化」は認証取得まで求められるものではありません。将来的には認証が必須となる可能性もありますが、現時点ではHACCP認証は付加価値であるという認識で問題ありません。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
このような課題は、私たち『懐刀』にご相談ください。懐刀は食品業界のニーズに合わせて開発された「クラウド型販売管理システム」です。20年の運用実績と200社以上の導入実績で、御社のDXを安心・快適に導入までサポートします。まずはサービスページをご覧ください。
サービスページを見る →HACCP認証の種類
2021年現在、日本国内には次のようなHACCP認証があります。
・業界団体認証
業界団体による認定は適用の範囲が特定の業界・業種に限られているHACCP認証です。業界や業種の事情を考慮して、導入しやすくなる手引書が構築されています。特定の業種に特化している企業にとっては、総括的な手法に比べて導入しやすいのがメリットです。
(例)水産食品加工施設HACCP認定制度、冷凍食品認定制度
・地域認定HACCP
各自治体が独自に定めた基準で審査を行っているHACCP認証です。対象となる製品や適用される範囲が限られているものの、中小の食品会社でも取得しやすいという特徴があります。
(例)東京都食品衛生自主管理認証制度、山口県高度衛生管理工程認証制度
・民間団体による認証
民間団体による認定はISO22000やSGSHACCP、FSSC22000など、数多く存在します。民間HACCPの特徴としては、フードチェーン全体を適用範囲としているものや、手引書や事例が存在しない業種や製品が多いことが挙げられます。審査員の力量によって審査レベルが大きく左右されるという場合があります。
・総合衛生管理製造過程(廃止)
厚生労働省が食品衛生法によって定めているHACCP認証で、「乳」「乳製品」「食肉製品」「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」「魚肉練り製品」「清涼飲料水」の6つの製品に限り取得することができます。他の認定に比べて衛生基準が厳格で、認定の難易度は高い傾向にあります。なお、HACCPの導入を義務化する方針が決まったことで、この認証制度は廃止されています。
認証取得までの流れ
HACCP認証取得までの一例として、下記のような流れがあります。
1.HACCPの担当チームの立ち上げ・教育
担当チームを結成し、まずはチーム内でHACCPに関する知識を深めます。
2.一般的衛生管理プログラム(PRP)の検討
HACCPシステムを効果的に機能させるための前提条件をまとめます。虫の防除や排水・廃棄物の管理はここに含まれます。
3.作業標準手順書(SOP) 、衛生標準作業手順書(SSOP)の作成
SOPは作業標準化のための手順を、SSOPではクリーニングやサニテーション(衛生管理)に関する手順を文章化します。
4.HACCPシステムの構築
危害分析を行って重要管理点や管理基準を設定することでHACCPシステムを構築します。
5.記録と保存方法の設定
HACCPを実施したことの記録や保存の方法を決めます。万が一問題が生じた場合、原因を追究するための手助けとなります。
6.問題対応マニュアルの作成
問題が発生した場合のクレーム処理の対応手順書やリコールの手順書等を作成します。
7.HACCPマニュアルの作成
全従業員でHACCPに取り組めるようマニュアルを作成します。
8.製品安全データシート(MSDS)の作成
化学物質等を含む製品がある場合、その譲渡や提供に際して添付する取扱説明書を作成します。
9.HACCP認証の事前審査
外部コンサルタントなどによる事前審査を受け、指摘された事項の改善を図ります。
10.HACCP認証の本審査
認証機関による審査を経て、正式にHACCP認証を取得します。
新規でHACCPの認証を受ける場合には審査費用が必要となるので、人員の教育+審査費用で50~100万程度かかるのが一般的です。
また、一度認証を受けても業種によっては1~3年ごとに再審査を受ける必要があり、費用は1回の更新ごとに10~20万円ほどかかります。
最後に
HACCP認証を取得することは、HACCPの導入と比較して期間も費用も要しますが、2020年から開始された義務化に伴い、導入と併せて認証も取得しようと考える企業も多いようです。
認証取得によって「食品の安全性を確保している」ということを対外的にアピールできるため、マーケティング面でも効果を期待できます。
HACCP認証についての無料セミナーなどを開催しているところもありますので、まずはそういったものを利用して、HACCPの知識を深めたうえで認証取得の検討をしてみてはいかがでしょうか。
- いつ生産した製品がいつどこに販売されているか把握できていない
- 入出荷、在庫管理に関わる業務を効率化して物流コストを削減したい
- 他システムとの連携がとれておらず重複作業が発生しているので改善したい
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